【簿記の基礎】収入・支出と収益・費用の違い【簡単に説明】

簿記

結論から言うと、

収入・支出…単なる現金の増減

収益・費用…儲け(利益)の増減

ということになります。これから説明をしていきます。

収入と支出

収入と支出は対の概念で、現金が入ってくることを収入、現金が出ていくことを支出といいます。簡単ですね!

収入の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 商品を売って現金をもらった
  2. 銀行預金の利息が口座に入ってきた(預金等の現金同等物の出入りも収入・支出に含まれます)
  3. 借金をして現金を調達した

支出の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 販売する商品の仕入のために現金を支払った
  2. 光熱費が銀行口座から引き落とされた(預金等の現金同等物の出入りも収入・支出に含まれます)
  3. 取引先に現金を貸し付けた

会社が得をしている、損をしている関係なく、現金が入ってくれば収入、出ていけば支出といいます。

ちなみに、収入から支出を差し引いた純粋な収入のことを収支といいます。

収支(現金の増減)=収入-支出

収益と費用

収益と費用は対の概念で、資産が増える又は負債が減ることを収益(儲けの増加)、資産が減る又は負債が増えることを費用(儲けの減少)といいます。ちょっと難しいですね。負債については、借金だと思っていただくとわかりやすいと思います。

収益の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 商品を売った
  2. 借金の返済を免除してもらった

費用の例としては、以下のようなものがあります。

  1. 販売する商品を仕入れた
  2. 取引先の備品を壊してしまい、弁償しなければならなくなった

収入と収益、支出と費用は似ていますが、微妙に違いますね。そこについて説明します(ちょっと長いです)。


まず、7番で商品が売れた際に、現金で支払いを受けたとしましょう。この場合、現金という資産が増えたので、収益といえます(1番と同じなので収入ともいえます)。クレジットカード払いの場合は、その場で現金をもらうことはできませんが、後日クレジットカード会社から代金をもらう権利(これを売掛金といいます)が生じますので、いずれにしても資産の増加として収益といえます。

ただし、クレジットカード払いの場合、売り上げた時点では収入ということはできません。なぜなら、その時点では現金が増えていないからです。収入が計上されるのは、実際にクレジットカード会社から入金があった時点なので、収益が計上されるタイミングと少しタイムラグがありますね。

次に、8番では借金が減っています。ここでは負債が減っているので、収益といえます。

一方で、返済の免除をしてもらった時点で現金が増えるわけではないので、収入ではありません。

9番はどうでしょうか。現金で仕入れを行った場合は、現金という資産が減っているので、費用といえます(4番と同じなので支出ともいえます)。後日支払う場合には、将来現金を渡す義務(これを買掛金といいます)が生じますので、この場合には負債の増加として結局費用といえます。

ただし、後日払いの場合、仕入れた時点では支出ということはできません。なぜなら、その時点では現金が減っていないからです。支出が計上されるのは、実際に支払いを行った時点なので、費用が計上されるタイミングと少しタイムラグがありますね。

最後に、10番では将来現金を支払わなければならない義務が生じました。ここでは負債が増えているので、費用といえます。

一方で、弁償をしなければならなくなった時点で現金が減るわけではないので、支出ではありません。


このように、資産が増える又は負債が減ること(儲けの増加)を収益、資産が減る又は負債が増えること(儲けの減少)を費用といいます。

儲け(利益)は収益と費用の差として計算されます。

利益(儲け)=収益-費用

まとめ

今回の要点は以下のとおりです。

  • 収支(現金の増減)=収入(現金の増加)-支出(現金の減少)
  • 利益(儲け)   =収益(儲けの増加)-費用(儲けの減少)

※儲けの増加とは、資産が増える又は負債が減ること、儲けの減少とは資産が減る又は負債が増えること

ご精読ありがとうございました。

それでは!

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